Aoki
Dai
Concept
あらゆる事物には、境界が存在し、輪郭をかたち作る
輪郭線とは、境界線であり、壁であり、
アイデンティティであると考えることができます
例えば、「白」と「黒」2色の絵の具が塗られている
コントラストが強烈なほど、両者は浮かび上がり、
輪郭は際立つ
両者は離れればグラデーションとなりあやふやに見えるが、境界は細切れになり、壁は増殖を繰り返すだけ
僕が影響を受けたグラフィティカルチャーと
蚤の市に転がるガラクタ
全く違うこの2つの世界観は僕の中で
境界線をしっかりと残したまま同居し
ターンテーブルは回り続け
ミキサーは左右に目まぐるしく切り替わり
creationXが増殖します
作品を制作するということは
頭の中で捉えた一瞬の輪郭を
連続的に更新することです
古いものと新しいもの、
フィジカルとデジタル、
ジャンルやカテゴリー、
境界線を往来して出来るもの
異なる世界の接点を繋ぐインターフェイスこそが
作品創作の源です
▼作品の構造
アクリルやガラスや箱物を用いて、
断絶と連続性の相反するものを表現します
正面から見たり
蓋をしたり内包すると交わって見えますが
物理的には決して交わることのない構造をとることで
境界と空気の存在が浮かび上がります
断絶した構造の中にグラデーションや透明性のあるものを使用して
断絶とは相反する、途切れのない連続性や継続、継承を表現します
作品内の透明なセロファンのような物質はすべてインクジェットプリンターで作製したオリジナル物質です
▼概念としての空気
その場の流れや憶測、願望や偏見による他者のイメージ
自身でも作る事ができる『キャラ』にも
空気は大きく関係すると考えています
キャラとアイデンティティはニアリーイコールで
キャラはアイデンティティではありません
では、キャラの持つ輪郭は一体何を表すのでしょうか?
輪郭線とは、境界線であり、壁であり、
アイデンティティのはずが
ここへきて輪郭=アイデンティティなのかがわからなくなってきました
僕が作り上げてきたもの
これから作るものは
アイデンティティでしょうか?
キャラでしょうか?
正直なところ僕にとってはどっちでも構いません
ただただ興味や関心などなどを
並べたいだけに過ぎないからです
※2018年4月開催の初個展「輪郭と境界」より。